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意匠権の効力

意匠法23条(意匠権の効力)
    意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する。ただし、その意匠権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

意匠の類否判断

意匠権の効力は、登録意匠と同一の意匠のみならず、類似意匠にまで及びます。意匠が似ているかどうかの判断は一概には言えませんが、下記の手順により類否判断を行います。

  1. 両意匠の基本的態様を認定する。
    基本的態様とは、意匠を大まかに把握した態様のことです。
  2. 両意匠の具体的態様を認定する。
    具体的態様とは、意匠を詳しく観察した態様のことです。
  3. 基本的態様における共通点・差異点を認定する。
  4. 具体的態様における共通点・差異点を認定する。
  5. 両意匠における要部を認定する。
    要部とは、看者が最も注意をひかれる部分、重きを置く部分です。
  6. 要部の構成態様が共通する場合は、両意匠は類似する。
    要部の構成態様が異なる場合は、両意匠は類似しない。

※ 意匠の要部の認定は、以下を考慮して行います。
(1)物品の性質、目的、用途、使用態様
(2)周知意匠や公知意匠

※ 意匠の要部において、構成態様に差異がある場合であっても、その差異が、ありふれた態様であったり、看者から見て美感が同様であったり、容易に行われる改変であったりして、その差異が共通点の有する美感を凌駕しない場合は、両商標は類似すると判断されます。一方で、差異点が共通点を凌駕すると評価される場合は、両商標は類似しないと判断されます。

物品の類否判断

物品が異なる場合は、意匠権の効力は及びません。 例えば、登山の際に使用する「カラビナ」の意匠権(第1156116号)に関する侵害訴訟の例があります。 写真

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