特許権者又は専用実施権者は、特許権又は専用実施権を侵害する者に対して、その侵害行為の差止を請求することができます。この際に、特許権者等は、侵害者の故意又は過失を立証する必要はありません。特許法103条には、「他人の特許権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する」と規定されており、侵害者の過失があったと推定されます。
たとえ侵害者が特許発明だと知らずに実施していた場合でも、差止請求権を行使することができます。特許発明は公開されていますので、公報などで確認するなど、他人の特許権を侵害していないか注意してください。
※ 特許権の侵害とは、正当な権限なく、他人の特許発明を業として実施することをいいます。
特許権者又は専用実施権者は、差止請求をするに際して、その侵害行為を組成した物や侵害品を製造した設備などを破棄することを請求できます。侵害品の破棄は、差止請求に付帯している請求権なので、差止請求権と共にする必要があります。侵害品の破棄の請求のみを単独で行うことはできません。