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存続期間が満了した商標を引用する拒絶理由通知

存続期間が満了した商標を引用する場合とは? 青山くん

商標法4条1項11号に係る拒絶理由通知において、商標権の存続期間が満了した商標が引用される場合があります。

たとえ商標権の存続期間が満了している場合でも、存続期間の満了後6ヶ月以内である場合は、その商標を引用する4条1項11号の拒絶理由が通知されます。というのも、存続期間満了後6ヶ月間は、存続期間の更新の申請をすることができるからです。

存続期間満了後6ヶ月が過ぎれば、登録が認められるのですか? 青山くん

審査官が、引用商標の存続期間の満了後6ヶ月が過ぎた後に、商標権簿で存続期間の満了を確認したときは、その引用商標が4条1項11号に該当しなくなったものとして取り扱われます。つまり、その引用商標についての4条1項11号の拒絶理由は解消して、登録査定が通知されます。

一方で、存続期間満了後6ヶ月以内に、存続期間の更新手続きがなされた場合は、登録が認められない旨の拒絶査定が通知されます。

存続期間満了後6ヶ月経過後も、更新ができる場合がありますが… 青山くん

その通りです。商標権の更新は、存続期間の満了後6ヶ月を経過した後でも、申請することができる場合があります。申請することができなかったことに正当な理由がある場合は、その理由がなくなった日から2ヶ月以内で、存続期間の満了後6ヶ月を経過した後から6ヶ月以内であれば、更新の申請をすることができます。原商標権者は、この期間中に更新の申請をすることにより、一度消滅したものとみなされた商標権を回復させることができます。

その回復期間の経過後まで待たなくてもいいのですか? 青山くん

はい。回復期間を待たずして後願の処理を行うことができます。その理由は、下記の通りです。

  • 商標権の回復がされたケースがほとんどない
    これまで、商標権の回復がされたケースがほとんどないという状況にかんがみて、回復期間を待たずして、その引用商標が4条1項11号に該当しなくなったものとして取り扱われます。
  • 早期権利付与の観点
    回復期間の経過まで待って後願の査定を行うことは、早期権利付与の観点からしても、必ずしもユーザーの利益になっていないという理由から、回復期間を待たずして後願の処理を行うことができるとされています。
  • 法律上、商標権はすでに消滅したものとみなされる
    商標法20条4項では、存続期間の満了後6ヶ月以内に更新の申請がなかったときは、商標権は存続期間の満了のときにさかのぼって消滅したものとみなす旨が規定されており、法律上は、存続期間の満了後6ヶ月経過後は、商標権はすでに消滅したものとみなされることから、回復期間を待たずして後願の処理を行うことができるとされています。

存続期間が満了した商標を引用する拒絶理由通知の対応策は? 青山くん

「査定を待ってください」という旨の意見書を提出するとよいと思います。そのまま更新がされなければ、拒絶理由は解消します。

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